役人とはどんなものか。
イギリスで、昔、ペストが流行したころ、一人の役人がいた。
日記を執念深く書いていたので後世の人が読んでいる。
それによれば、彼は不正蓄財に励んでいる。また性的享楽に熱心である。
そのような記述が延々と続き、定期的に、宗教的・倫理的に反省し、二度と過ちは犯さないと
日記の中で誓うのだが、それはただ誓うだけで、何も変わらない。
そのようにして一生を終えた。ペストで死ななくてよかった。
こんなにも堕落した人もいるのかと、少数の人は思う。
人間はこんなものだろうと大多数の人は思う。
「ピープス氏の秘められた日記」の内容であるが、ずっと昔読んだだけなので不正確な紹介だろう。
