実存メモ23

実存メモ23
ウィーリスは、愛犬モンティとのある瞬間について語っている。

私が棒を拾い上げると、モンティはすぐに目の前に駆け寄る。
「ついに、大事なことが起こった!」 彼は、使命を与えられたのだ。
モンティは、その「使命」について考えることはない。ただ、それを果たすことに全力を注ぐ。
→ どんな距離でも、どんな障害があっても、棒を取りに行く。
→ 「棒を取る」だけではなく、「持ち帰る」ことも彼の使命の一部。

しかし、私のところに近づくにつれて、彼は動きを遅くする。
→ 使命を終えて私に棒を渡したいが、「使命を失うこと」が惜しいのだ。
→ また「次の使命」を待つ状態になってしまう。

「モンティは幸運だ。私が棒を投げてくれるから。」
→ だが、「私は誰が私の棒を投げてくれるのか、ずっと待っている。」
→ 神が私に棒を投げてくれるのを待っている。だが、長い間、待ち続けている。
→ いつか神がまた私に目を向け、私にも使命を与えてくれるのだろうか?

私たちは誰もが、「誰かが自分に使命を与えてくれたらいいのに」と思ったことがある。

「人生の本当の目的がどこかに存在している」と知ることができれば、どれほど安心できるだろう。

しかし、もし 「すべての目的は自分で作り出すもの」 なのだとしたら、私たちは 「人生には本来、何の基盤もない」 という現実と向き合わなければならない。
→ 「棒を投げるのは、自分自身だ。」

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